こんにちは、ヨットです。
この記事は以下の人に向けて書きました。
- 仕様書の書き方が分からないという人
- 仕様書の精度を上げて、仕事の効率を上げたい人
- 大手メーカーの仕様書は何が記載されているのかを知りたい人
それでは「ヨット講座」始めましょう。(※ヨットはこんな人です。Twitterフォロワー数は2020/11/2現在です。)

はじめに:仕様書とは?

この記事を読んでいらっしゃる方は優秀で勉強熱心な方だと思いますので、「仕様書とは?」については説明不要かと思いますが、念のため、おさらいさせて下さい。
仕様書とは?
「会社と会社が契約をする前提となる約束」を文書に示したものとも言えます。
仕様書の種類
仕様書の種類にはいくつかの種類があります。
- 見積依頼仕様書→依頼元が依頼先に見積を依頼する際に提示する仕様書
- 見積仕様書→依頼先が依頼元の見積依頼仕様書/打ち合わせ内容に基づいて、見積仕様の前提条件を示す仕様書
- 発注依頼仕様書→依頼元が依頼先に正式発注を依頼する際に提示する仕様書
- 納入仕様書→依頼先が依頼元の発注依頼仕様書/打ち合わせ内容に基づいて、納入仕様の前提条件を示す仕様書
※会社や部署、業界によって呼称が異なることも多いので、ご参考レベルとさせて下さい。その他には「システム仕様書」「設計仕様書」などがあります。
仕様書の重要性
仕様書の重要性は非常に高いものです。
仕様書は「会社と会社が契約をする前提となる約束」を文書に示したものということは前項にてご説明しました。
仕様書に漏れがあるとどうなるのでしょうか?
仕様書に記載が無い内容は見積範囲外のため、追加費用の請求が来たり、納品タイミングが変更になってしまうこともあり得ます。
仕様書の精度が高い=仕事の精度が高いと申し上げても過言ではないくらいに重要度が高いものです。
この記事で仕様書の書き方のポイントを押さえましょう。
仕様書の書き方 10のポイント

さて、ここからは具体的な仕様書の書き方について、ご説明していきましょう。
詳細をご説明していく前に申し上げておきたいのですが、仕様書の書き方は業種業界でかなり幅があります。
今回の説明は、私が自動車メーカー時代に生産設備やサービスを手配する際に作成していた内容をベースに説明していきます。
仕様書を書く際に押さえたいポイント
それが以下です。
- 1:仕様書発行連番
- 2:件名
- 3:目的
- 4:納期
- 5:員数
- 6:仕様範囲
- 7:保証期間
- 8:要求項/制約事項
- 9:要求進行日程
- 10:レイアウト
※下記画像は本記事を作成するにあたり、自動車メーカー勤務時代の記憶を基に仕様書を部分的に再現したものです。

項目ごとにご説明していくことにしましょう。
仕様書の書き方 解説1:仕様書発行連番
仕様書の書き方 解説1つ目は発行する仕様書に連番を付与して、仕様書に明記することです。
これは基本中の基本ですが、出来ていない会社が意外にも多いです。
- 仕様書番号
- 仕様書発行日付
- 仕様書発行者
- 仕様書件名
エクセルなどで、上記内容を連番管理する採番台帳を作りましょう。
そして、仕様書連番を仕様書内に必ず記載するようにしましょう。
なぜ仕様書に連番が必要か?
仕様書に連番が必要な理由は非常にシンプルです。
担当者が急遽変わる可能性があり、その際の引き継ぎをスムーズにするためです。
担当者が転職してしまったり、担当者が急病で入院したり、急な部署異動が発生したりすることは珍しいことではありません。
その際、仕入れ先から指示を仰ぐ問合せを頂いたとしましょう。
急遽、ピンチヒッターになった人が社内で仕様書を発見出来ない。よくある光景です。
仕様書の書き方 解説2:件名
仕様書の書き方 解説2つ目は件名を明記することです。
仕様書の件名では2つの目線から配慮をする必要があります。
- 仕入れ先への配慮
- 自社内への配慮
仕入れ先への配慮
どこの工場(もしくはプロジェクト)で、何に対応するために、何をしたいのか。
これらがイメージできる仕様書の件名にすることです。
仕様書にこれらの記載が無いと、それらの前提状況からご丁寧にお問い合わせを頂くことになるでしょう。
それでは時間がいくらあっても足りません。
自社内への配慮
これは意外に見落としがちな観点です。
5年、10年、15年経った時にはメンバーがガラリと入れ替わっており、当時のことを知る人がかなり少なくなっていることは珍しくないでしょう。
そのような際に、後任者が「どこの工場(もしくはプロジェクト)で、何に対応するために、何をしたいのか」などのキーワードから検索できるような仕様書の件名を心がけることです。
ハイパフォーマーの先輩というのは概してキーワードで引っかかるような件名を付けてくれているので、何かと資料が検索しやすいです。
イマイチな先輩というのは「何故このタイトルなんだ?」というようなタイトルを付けてくれているので、何かと資料が検索しにくいです。(笑)
仕様書の書き方 解説3:目的
仕様書の書き方 解説3つ目は目的を明記することです。
大切なことは目的と手段を明記することです。
先にご紹介した例で考えてみましょう。
「バンパーに部品を取付する」→目的
「穴を加工する」→手段
このように目的と手段を必ずセットで書くことがポイントです。
仕入れ先というのは、その分野のプロです。
自社以外に他社でも様々な経験をして、ノウハウが蓄積されています。
自分が構想しているアイデアよりも優れたアイデアを保有していることも少なくありません。
そんな相手の想像力やノウハウを最大限に引き出すという発想で仕様書を書くようにしましょう。
そのためには目的と手段が分かるようにする必要があるのです。
仕様書の書き方 解説4:納期
仕様書の書き方 解説4つ目は納期についてです。
少し余談になりますが、仕事をする上で大切なことの一つは納期です。
仕事の本質とは納期を守ることだからです。
社員一人一人が約束の納期を守ることで会社の経営が成り立っているのです。
大きな組織に属していると、この本質を見失いがちになりますが、非常に重要な観点なので覚えておきましょう。
納期は臨機応変に設定する
納期の設定で大切なポイントは2つです。
1つ目はデッドラインから逆算した納期を自分の中で明確にすることです。
これはこの記事を読んで勉強している優秀なあなたなら当たり前に出来ているでしょう。
何回かお付き合いがあり、必ず約束の納期を守る会社/個人であれば、デッドラインを伝えた上で、デッドラインから1週間程度余裕を見た日程にしておけば十分でしょう。
逆に初めてのお付き合いであったり、必ず約束の納期に遅れる会社/個人であれば、自分が考えているデッドラインから大幅に前倒しした納期を設定した方が良いでしょう。
このように相手の実力を見極めながら、納期を臨機応変に設定するという発想が大切です。
仕様書の書き方 解説5:員数
仕様書の書き方 解説5つ目は員数を明記することです。
員数によって納期が長くなったり、見積額を安くして頂ける場合があるので、必ず明記しましょう。
仕様書の書き方 解説6:仕様範囲
仕様書の書き方 解説6つ目は仕様範囲を明記することです。
よくあるパターンは解説5の員数が「1式」になっているが、どこからどこまでで「1式」なのかがよく分からないというパターンです。
準工プロセスを棚卸した上で、どこからどこまでが仕様範囲なのかを明確にしましょう。

内容は自社の内容に合わせて適宜カスタマイズして頂ければと思います。
仕様書の書き方 解説7:保証期間
仕様書の書き方 解説7つ目は保証期間を明記することです。
個人で家電や自動車などを買うと、保証が付いてきますよね。
それと同じイメージで保証して欲しい期間を明記しておきましょう。
自動車メーカーなどの製造業では、基本的に1年の場合が多いです。
仕様書の書き方 解説8:要求項/制約事項
仕様書の書き方 解説8つ目は要求項/制約事項を明記することです。

検討するために必要な骨子とも言えるでしょう。
打ち合わせなどで仕入れ先から聞かれる確率が高いことを自分で想像しながら、フォーマットに落とし込んでいくのがポイントです。
ポイント:雛形を作る!
上記のように一度ベースとなる雛形を作ると、「仕様書が自分に問いかけてくれる」仕組みが出来ますので、説明漏れが圧倒的に減ります。
また、仕入れ先からお問い合わせを頂いた内容で、汎用性がある内容は都度雛形を改訂して折り込むことが大切です。
※「仕組み化」は別の記事で解説していますので、興味のある方はご一読下さい。
リンク:【仕組み化の方法】自動車メーカーはなぜ強いのかを2つの軸で解説
仕様書の書き方 解説9:要求進行日程
仕様書の書き方 解説9つ目は要求進行日程を明記することです。
解説4でもご説明したように、納期を守ることは会社が継続的に成長するために非常に大切です。
私の場合は以下のような要求日程表を作成して仕様書に記載していました。
※下記画像はこの記事の説明のために作成したものです。

私の場合は見積金額の調整工数を極力最小に出来るように、人員配置・工数配分のイメージまで記載していました。
仕入れ先に対して、先にアンカリングを打つと交渉を有利に進めやすくなります。
そのような部分までイメージ出来ていると非常に良いでしょう。
仕様書の書き方 解説10:レイアウト
仕様書の書き方 解説10個目はレイアウトを明記することです。
全体レイアウト、設置レイアウト、車両や部品の動線、高さの制約などが分かると良いでしょう。
CADデータなどがあれば仕様書と合わせて仕入れ先に必ず支給するようにしましょう。
ポイント:必ず現地現物で確認する
レイアウトを検討する際のポイントは必ず現地現物を自分の目で確かめることです。
若かりし頃、机上検討のみで痛い目にあった人間がここにいます。(笑)
保有している図面と実際のレイアウトが変わっていたり、情報が最新でないことは往々にしてあります。
また、仕入れ先と一緒に現地現物で確認するイベントを設けましょう。
仕様書で大切なポイント→日常的なチェックと雛形改訂

ここまで読み進めて来たあなたは真面目で優秀な方でしょう。
そんなあなたにお伝えしたい大切なポイントがあります。

仕様書というのは書き方を考えれば考えるほど奥が深いです。
答えが無いと言っても過言ではありません。
要は組織的に最善解を求めて、仕様書を改訂し続ける必要があるのです。
「模範解答を取得したら、それを超える」という精神を持ちましょう。
勉強熱心なあなたなら出来るはずです!
仕様書の書き方に正解は無い

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
書く量を減らすと漏れが発生し、全て書くと膨大な量になり読んで貰えない。
サラリーマン時代にはそんな体験をしてきました。
この記事は根幹のポイントだけを押さえた入門編です。
この記事を参考にして頂きつつ、あなたなりにカスタマイズを加えて頂ければ幸いです。
今回は以上です。
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