こんにちは、ヨットです。
この記事は以下の人に向けて書きました。
- バルカン化とは何かを知りたい人
- バルカン化が日本・我々の日常へどのように顕在化しているかを知りたい人
- バルカン化が進む日本での個人の生き残り戦略について考えたい人
※この記事と併せて読みたい記事
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それでは「ヨット講座」始めましょう。
※以下はヨットのプロフィールです。(Twitterフォロワー数は2021/2/8現在です。)

バルカン化とは何か?

まずはバルカン化とは何かについて解説していきたいと思います。
「学生の時に勉強したような・・・」というくらいの記憶の方も多いと思いますので、おさらいしましょう。
バルカン化→分裂していく様子を表す地政学用語
バルカン化とは分裂していく様子を表す地政学用語です。
ここはこの記事の本題ではありませんので、興味のある方はWikipediaの解説を見て頂けますと幸いです。
バルカニゼーション(Balkanization)、またはバルカン化は、ある地域や国家が、互いに対立するような小さな地域・国家に分裂していく様子をあらわす地政学用語。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バルカン化→旧ソ連崩壊時も発生
バルカン化は旧ソ連崩壊時も発生しています。
旧ソビエト連邦崩壊後にバルト三国が独立を宣言したのを皮切りに、その他旧ソ連構成国も続々と独立を宣言しました。
意外にも旧ソ連崩壊からは2021年現在でまだ30年しか経過していません。
要はバルカン化は近代になっても様々なシーンで顕在化している現象ということです。
バルカン化→近年のインターネット関連でも使用されている用語
更にバルカン化は「独自に分裂する」という概念で、近年のインターネット関連でも使用されている用語になります。
「バルカニゼーション」は、プログラミング言語やファイルフォーマット(特にXML)の多様化、米国郊外のゲーテッドコミュニティ化についても使われている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この記事を読んで下さっているような勉強熱心なあなたはすでにお気づきかと思いますが、我々の身近にも既に「バルカン化」は存在するのです。
この記事を読んで下さっている方の大多数が在住する日本も様々な観点でバルカン化は進行しています。
次章でご説明していきます。
バルカン化が着々と進む日本

日本でも着々とバルカン化が進んでいます。
いくつか例を挙げながらご説明していきましょう。
日本でのバルカン化の例1:ギグエコノミー
日本でのバルカン化の例1つ目はギグエコノミーでしょう。
※ギグエコノミーって何?という方がいらっしゃいましたら下記の記事をご一読下さい。
内部リンク:【ギグエコノミーの正体】これからの時代に考えたいこと
我々がよく目にするのがウーバーイーツではないでしょうか?
私は車を運転していると、ウーバーイーツのBOXを自転車に積んで走っている人をよく見かけます。
さて、なぜギグエコノミーが「バルカン化」なのでしょうか?
業務範疇の「バルカン化」がギグエコノミー
一昔前であれば、蕎麦屋の出前、寿司屋の出前、ピザ屋の配達は、飲食店がセットで行っていました。
しかし、現在では配達はウーバーイーツなどに委託している会社がほとんどです。
また、YouTubeなどで考えても同じことです。
YouTubeの発足当初では企画立案・動画撮影・動画編集・投稿管理までを1人、または会社、兄弟などの小規模組織で行っていました。
それが現在では専門分野に特化したプロに外注するバルカン化が進んでいます。
企画立案のプロ、動画撮影のプロ、動画編集のプロ、演者のプロなど、フリーランスのプロに外注している例も少なくありません。
生き残りの戦略でも後術しますが、ここから分かることは様々な技術がコモディティ化した現在では、何かに特化した技術を身に着ける・開発することが生き残りのヒントになっていると言えるでしょう。
これは次項の高度技術でも当てはまる傾向です。
日本でのバルカン化の例2:高度技術
日本でのバルカン化の例2つ目は高度技術です。
自動車メーカーなどの大企業でも業務範疇の分裂「バルカン化」の傾向が確認できます。
例えば、車の衝突事故回避ブレーキに使用されるカメラ・画像処理システムなどが良い例になります。
SUBARUのアイサイトのステレオカメラなどが非常に分かりやすい例でしょう。
特に日本の自動車メーカーは自前開発に拘る傾向にありました。
SUBARUのアイサイトのステレオカメラはSUBARUと日立が共同開発し、画像処理システムは両社で共同特許を取得しています。
私は車の試乗が趣味ですので、国内の全自動車メーカーの衝突事故回避ブレーキ搭載車に乗りました。
2016年頃までは国内自動車メーカーの衝突事故回避ブレーキ性能はSUBARU 1強だったと言っても過言ではありません。
誤解を恐れずに申し上げれば、SUBARU以外は「気休め」レベルの性能でした。
しかし、2016年前後から潮流が変わり始めました。
イスラエルに研究拠点を置く、モービルアイ(現在はインテルの子会社)が開発したカメラとソフトウェアが搭載された車両が、SUBARUのアイサイトVer3を上回る性能を発揮し始めたのです。
JNCAP(独立行政法人 自動車事故対策機構)の2016年度 歩行者対応自動ブレーキ試験でそれは顕在化しました。
SUBARUのアイサイトVer3搭載車よりモービルアイ製カメラ・ソフトウェアを搭載した日産、MAZDA車の方が高い評価になりました。
これに影響を受けたかは定かではありませんが、2021年現在、SUBARUはアイサイトVer3の後継機、アイサイトVerXでは日立オートモーティヴ製からスウェーデンのVeoneer(ヴィオニア)製に切り替えています。
ここから考察できることは、「バルカン化した技術を取りまとめ、生かせる会社・人」、もしくは「独自技術を生み出せる人」以外はコモディティ化し、「安く買い叩かれる」という現象が今まで以上に激化すると予測できます。
日本でのバルカン化の例3:価値観のバルカン化
日本でのバルカン化の例3つ目は価値観のバルカン化です。
20世紀までの日本ではまだまだ「大企業神話」が健在でしたし、進路、就職先などの価値観もある程度は「共通言語」がありました。
進路・就職先・将来設計・在住地・趣味などの組み合わせパターンはもはや無限になっています。
一次情報として、高学歴で大企業に就職できるような優秀な人でも「お金」や「地位」よりも「時間」や「目標」などに重きを置く人が増えているように感じます。
日本でのバルカン化1〜3の状況から考察すると、〜5年は今以上に急速なバルカン化が進むと予測されます。
そんな時代を生き残るための生き残り戦略を次章で解説していきます。
バルカン化での生き残り戦略の鍵

さて、ここからはバルカン化が進む日本での生き残り戦略を考えていきたいと思います。
どのような思考をすれば、バルカン化する時代を生き残れるのか?
考察をしていきたいと思います。
バルカン化での生き残り戦略1:ニーズよりもシーズを磨く
バルカン化での生き残り戦略1つ目はニーズよりもシーズを磨くことです。
内部リンク:【ニーズとシーズ】これからの時代に必要なのは「シーズ」
先述した高度技術を細かに分析していくと分かるのですが、本質的にはニーズ志向ではなくシーズ志向です。
依頼する側の技術・発想を凌駕するレベルで徹底的に自分達の独自技術を磨き込んでいます。
ニーズ志向はコモディティ化が進んでいます。
シーズ志向の可能性は無限大です。
絵画でも、車でも、時計でも唯一無二の価値を生み出せれば、1億円でも10億円でも値段が付くのが現代社会です。
バルカン化での生き残り戦略2:歴史から学ぶ
バルカン化での生き残り戦略2つ目は歴史から学ぶことです。
我々人類の歴史は西暦だけで2021年の時間が過ぎています。
西暦が始まって以来、人間の本質というのは全く変わりません。
その人間の本質を突く内容と最新のテクノロジーを組み合わせて流行が作り出される。
その繰り返しです。
一番分かりやすいのが、最近流行しているオンラインサロンです。
オンラインサロンは本質的には中世ヨーロッパの宗教が姿を変えたものです。(=救いを求めて何かに隷属するという本質)
歴史を学ぶと、今起きている内容と過去の例が照合できるようになります。
そして、これから発生する事象の展開を先読みすることができるようになります。
空間軸と時間軸で学び、様々な動向を感じ取れるようになりましょう。
内部リンク:【教養とは何か?】教養を身につけるために心掛けたいこと
バルカン化での生き残り戦略3:企画力を鍛える
バルカン化での生き残り戦略3つ目は企画力を鍛えることです。
バルカン化において非常に大切なことは「企画力」を鍛えることでしょう。
企画力があるということは、主導する側、企画する側になれるということです。
もう少しストレートに申し上げると、一度の仕事で「使い捨て」されるリスクが激減します。
また、「企画力」というのは、どの分野にも応用できる最強の武器ですし、重宝される本質的なスキルの1つです。
にも関わらず、「企画の型」を持っている人は多くありません。
基本の「企画の型」を保有した上で様々な「想像・創造」ができることが大切なのです。
内部リンク:変化する時代を生き残る人材→結論:想像/創造人材が時代を作る
今回は以上です。