こんにちは、ヨットです。
この記事は以下の人に向けて書きました。
- 育児休暇を取得したい男性の方
- 育児休暇で男性が得られるメリットを知りたい方
- 育児休暇に対し、積極的に取り組みをしていない企業経営者の方
それでは「ヨット講座」始めましょう。
※以下はヨットのプロフィールです。(Twitterフォロワー数は2021/2/10現在です。)

企業の取り組み不足という育児休暇取得の壁

まず、一番最初に考察したいことは綺麗事を抜きにすると、日系企業は取り組み不足により、男性が育児休暇を取得しにくい雰囲気が漂っています。
最近は少しマシになったように感じますが、まだまだ男性の育児休暇取得の比率は低いです。
2019年に発表されている厚生労働省の資料を見ると、女性の82.2%に対し、男性は6.2%に留まっているのが実態です。
私が自動車メーカーに勤務していた時も、育児休暇を取得している男性社員を見たことがありません。(※元勤務先を批判している訳ではありません。大企業ですらそうだということです。)
更に一次情報として、中小企業などは尚更取得している男性を見たことがありません。(最近は積極的に力を入れて取り組みしている企業も認識していますが、比率としては全体の5%以下でしょう。)
中小企業のオーナー社長と本音でお話すると、心の中では育児休暇の「必要性」に疑問があるという方も少なくありません。
このような理解不足、取り組み不足による壁があるのは現実問題として事実です。
それはなぜでしょうか?
その内容を次章以降で解説して行きます。
育児休暇を男性が取得するメリット→「未知の体験」での成長

価値観の「バルカン化」が進む時代だからこそ、尚更です。
内部リンク:【バルカン化が進む日本】個人の生き残り戦略のキーポイント
ここからは男性が育児休暇を取得するメリット、関連する考え方を解説していきます。
男性が育児休暇を取得するメリット1:「感性」が磨かれる
男性(社員)が成長する時とはどんな時でしょうか?
一つの専門分野でコツコツと経験を積み重ねた時?
読書をして、気づきがあった時?
守るべきものができた時?
いずれも成長要素には間違いありませんが、ここでは少し別の角度から考えてみましょう。
育児休暇中の小さなキッカケで男性(社員)は一気に成長する
育児休暇のメリットは小さな出来事を通じて、様々なことに気づけることにあります。
育児休暇中、自分の思い通りにならない育児を通して、「これは部下、後輩教育と一緒だ」と気づくでしょう。
内部リンク:【部下・後輩指導でお悩みの方へ】指導・育成上手な人の方法論・コツ
育児休暇中、子供の夜泣きがひどく、自分がなかなか眠れなかった結果、「眠れないと思考力が落ちるな、普段あまり意識していなかったけれど、睡眠の質は重要だな」と気づくでしょう。
育児休暇中、オムツの交換を通して、「オムツの質はこのメーカーより、このメーカーの方が肌触りが良いな。このメーカーの業績が伸びているのには品質への拘りがあるのかな?」と気づくでしょう。
物やサービスがコモディティ化している現在だからこそ、ほんの少しの小さな感性の差が、恐ろしいくらいの業績の差に直結した例は枚挙に暇がありません。
仕事というのは、思わぬ体験からイノベーションが生まれるのです。
男性の「思わぬ体験」になってくれるのが育児休暇の大きなメリットです。
参考:育児休暇に対する企業の取り組みの考え方、ポイントまとめ
伸びる企業は育児休暇へ前向きに取り組み、取得させようとする。
社員は企業の感性の一部だという発想である。
零落していく企業は育児休暇への取り組みが消極的である。
社員は企業の労働力の一部だという発想である。
これは企業経営者・管理職の方などは絶対に覚えて頂きたいポイントです。
男性が育児休暇を取得するメリット2:普段の「仕組み化」状況が顕在化する
先述のようにお話をすると必ず以下のように言われる方が登場します。(笑)
「うちの会社は規模が大きくないので、そんな理想論は当てはまりません」と。
この論点でも一度、よく考えてみましょう。
そもそも育児休暇で男性(社員)が一定期間抜けたくらいで、仕事が回らなくなるような企業は根本的に大バツです。(=個人の視点からも同じです。)
業務整理や情報共有、標準化などの仕組み化がめちゃくちゃだから、そうなるのです。
企業レベルでも個人レベルでも育児休暇で仕事を離れることを逆説的にメリットとして考えるべきです。
このように考えることです。
もちろん、仕組み化が完璧なことが分かれば、それでOKです。
育児休暇を取得した際に「問題が顕在化」した場合はそれはそれでメリットです。
男性(社員)が復帰後、仕組み化を一から考え直すキッカケになるからです。
参考ですが、企業経営者・管理職がこのような感覚でいると、社員同士も助け合いや相互フォローが当たり前になり、それが企業文化として醸造されていきます。
その噂を聞きつけたハイパフォーマーが転職してきたり、優秀な新人が入社してくるという、好のスパイラルに突入できます。
男性の育児休暇一つを題材にしても、考える人の感性によってメリット・デメリットなどへいかようにも変化するのです。
内部リンク:【ビジネスでの仕組み化の方法、作り方】自動車メーカーを2軸で解説
経営者・管理職の方へ
何故ならば、社員(男性)が病気や事故で突発的に抜けるような不測の事態も含めて、日常的にマネジメントをし、業務共有や仕組みを考えるのが経営者や管理職の仕事だからです。
計画的に、1名の男性にすら育児休暇を取らせてあげられないマネジメントは、どこかの「仕組み」がおかしいと、現状を疑ってみることです。
そのように考え、何からの育児休暇に対する取り組みをしている企業は例外無く伸びています。
「綺麗事だ」と思わずに真剣に考えてみることです。
必ず「寄り道に思わぬ発見」があるはずです。
※関連した参考記事を別にまとめていますので、興味のある方はご一読下さい。
内部リンク:【強い組織の特徴 6選】自動車メーカーで学んだ強い組織の作り方
PS.
それでも育児休暇に対する取り組みに難色を示す企業経営者や管理職の方には以下のように問いかけるようにしています。
「社長(部長)、育児休暇を取れないなら、辞めますと言われたらどうしますか?」と。
この企業はタイミングを見てそのうち辞めようと思われるほどの潜在的損害は他にありません。
そんな部分にも気を配れる感性を育みたいところです。
育児休暇を検討中の男性の方へ:会社にもたらすメリットを言語化すること
育児休暇は正当な権利です。
一方で権利だけを主張する社員になってはいけません。
- ①育児休暇を通じて、仕事に還元するテーマを決める
- ②各種業務整理や標準化、日常的な情報共有の徹底→仕組み化の徹底
①は育児休暇を取得した場合には毎日一行でも良いので、気づいたことを紙に手書きすることです。
更にその気づきを仕事にどう結びつけられるのかを真剣に考えてみることです。
内部リンク:文章を書く力・能力を向上させるコツ→体験を増やし、何かと闘う
②は日常的に業務の整理やマニュアル、フローチャートの整備をし、上司や同僚との情報共有を徹底することです。
これは育児休暇を取得する/しないに関わらず、日頃からきちんとやっておくべきことです。(病気や事故に遭う可能性は常にあります。)
この2点をきちんと言語化できれば、育児休暇を取得する権利があると言えますし、会社にとっても大きなメリットになることでしょう。
自信を持って、権利を主張できるように、常日頃から思考するようにしましょう。
育児休暇は人生を豊かにする

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
育児休暇は非常にメリットが多く、人生を豊かにすると私は考えています。
あなたやあなたがお勤めの企業の育児休暇に関するヒントになっていれば嬉しいです。
今回は以上です。
※別の記事で子育てについてもまとめていますので、ご一読下さい。
内部リンク:【子育て・教育方針の考え方 5選】子供が成長する教育法